今回は【田舎における救急体制】、【健康】について考えたいと思います。
目次
なぜ【救急体制】が気になったのか
- 養護教諭養成課程(保健室の先生を目指す学科)在籍中につき、「救急車」や「AED」に敏感だから。
- 心配性だから。把握しておきたい性格。
- 大豊町では救急車はもちろん、消防署を見かけないから。
- 高齢者が多いわりには病院が少ないと感じたから。
救急車が到着するまでの全国平均時間は【8.6分】
救急車を要請してから到着するまでの全国平均時間は、【8.6分】と言われています。
(消防庁HP参照 https://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h28/12/281220_houdou_2.pdf)
消防法によると、救急車の配置は【消防本部又は署所に配置する救急自動車の数は、人口十万以下の市町村にあってはおおむね人口二万ごとに一台を基準】とのこと。
(総務省消防庁HP参照https://www.fdma.go.jp/concern/law/kokuji/hen51/51010000070.htm)
ちなみに、大豊町の人口は4950人(2010年時点)。
一台設置の基準に満たしてない~!
ゆとりっこ寮に救急車が到着するまでの時間は【約20分】
※今回は、私たち半農半Xインターン生が滞在している【ゆとりっこ寮】を基準に考えます。
七「ゆとりっこ寮から一番近い消防署ってどこですかね~?」
消防団員の方「大田口の消防署だと思うよ~!」
ということで、大田口の消防署までの時間を計ると、【約20分】。
これは、自家用車で時速60kmで走った場合なので、救急車はもう少し早いかもしれません。
ということを考慮しても、【全国平均の約2倍かかる】!
全国基準~AED~
AEDとは
AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
AEDは、操作方法を音声でガイドしてくれるため、簡単に使用することができます。(AEDライフ参照 http://www.aed-life.com/information/aed.html)
追加情報として
- AEDは誰でも使える。失敗した場合でも責任は問われない。迷ったら使う!
- AEDとセットで行う胸骨圧迫や人工呼吸はコツがいるので、講習を受けておくことが望ましい。
- 心臓が完全に停止した場合には効果がない。(その判断は、AEDがしてくれる)
AEDの配置について
300mごとにAEDが設置されていると、150m/分で早足で取りに行けば、その間のどこからでも1分以内でAEDが届き、5分以内に除細動が可能となる。
(日本心臓財団HP参照 http://www.jhf.or.jp/aed/arrangement.html)
↑を見ると、理想は300mごとの配置、ということになります。
ゆとりっこ寮にAEDが到着するまでの時間は【約15分】
ちなみに…ゆとりっこ寮周辺のAED配置場所を調べると、こんな感じ。赤い〇がゆとりっこ寮の位置です。

一番近いAEDは…
大豊町役場 かな。
大豊町役場までの所要時間は、【徒歩30分】【車で約7分】by Google先生
距離にして、【約2km】
理想は300mごとの配置なので、なかなか厳しいなぁ、というところです。
もしも誰かが倒れた時、胸骨圧迫&人工呼吸をしながら、【往復約15分】待つしかありません。
致死率
ちなみに、心室細動で何も救命活動をしなかった場合の致死率は、以下の通りです。

AEDの到着を10分も待っていたら、蘇生率は10%を切ってしまいます。
もしもゆとりっこ寮でフクおじさんが倒れた場合、私は助けてあげることができません。
田舎暮らしのデメリット
1週間大豊町で暮らしてみて、いい面をたくさん見てきました。
人や自然、雰囲気等、本当に素敵な地域だと感じています。
しかしその反面、「五体満足、健康そのもの」という人じゃなければ住みづらいように思います。
不便さを楽しむ、改善する余裕 等は
健康が土台になければ、成り立ちません。
持病を抱えた人、障害のある人等にとっては
やはり住みづらいのではないでしょうか。
もし、私が田舎暮らしをすることになったら、
まずは【自分が健康であること】に感謝したいと思います。
健康でなければ、田舎暮らしは難しいです。
車いすのままでは、段差のある汲み取り式トイレは利用不可能です。
弱視で車を運転できない人にとっては、公共交通機関のない田舎での移動は困難です。
現在、家族の介助を受けられない障害者は福祉施設に入所することが多いです。
人の介助が必要な障害者こそ「シェアハウス」の恩恵を受けられるのではないでしょうか。
そのためには、バリアフリーな、障害者にも住みやすいシェアハウスが田舎にあったら、より社会が豊かになるんじゃないかな~、なんて、ぼんやり考えています。
確かに田舎は(というか、大豊町は)いいところです。
しかし、「健康である自分たち」だからこそ不便さを解消しながら生きることができる。
田舎暮らしをしたくてもできない人、
身体の都合で田舎を離れなければいけない人達がいることを心にとめておかなければ
健康が故に傲慢な人になってしまうな~、と感じました。
ことわり
「健康」の定義は人それぞれです。
今回の記事の書き方では
「健康」=「健常者」、障害者は健康ではない、と言っているように見える方もいるかもしれません。
不快な思いをされた方がいらっしゃったら、申し訳ありません。
表現方法を改めたいと思います。
救急体制からは少し話がそれましたが、
【田舎暮らし】×【健康】についての記事、おしまい。
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