発達障害は日常生活の中で「うまくいかないなぁ…」と感じる場面が、普通の人よりも多いはずです。
日常生活でどんな壁があるか、「大学生の生活」を例に考えてみたいと思います。
まずは、「通学」の問題です。
目次
▼通学の困難さ【電車・バス編】
・時刻が決まっている
電車は時刻が決まっています。
数分間隔で電車がやってくる都会は、まだ発達障害に優しいです。一度乗り遅れても、リカバリーする機会が与えられます、次の電車に乗ればいいのです。
問題は、数十分間隔でしか電車がこないような田舎に住む人です。
数十分間隔でしか電車がこない場合、一度逃すと遅刻決定になります。欠席扱いされるかもしれません。自己嫌悪にもなります。単位も貰えないかもしれません。
このように、田舎で電車を利用する発達障害の人は、一度のミスが致命的なミスになってしまいます。リカバリーする機会が与えられないまま、「はいダメ~」となってしまうのです。
・不測の事態(遅延)が頻繁に起こる
特に都会の電車は、しょっちゅう遅延します。
遅延した時に求められる力は、「臨機応変に対応する力」です。
発達障害は、この「臨機応変」が苦手です。
遅延が発生した場合、他の交通手段を使うor運転再開を待つことになると思います。
他の交通手段を使う場合、その時の運行状況や他の路線、バス、込み具合、時刻等様々なことを同時に考えながら瞬時に調べ、判断しなければなりません。これは発達障害の苦手とするところだと思います。
また、「苦手だけど落ち着いてなんとかこなす」状態ならよいのですが、なんとなく焦る→判断できない→焦る→パニックになる→焦る→慌てふためく、怒る、泣く のようなサイクルに陥ると、もう最悪です。
さらに、遅刻しそうな場合には、大学の友達や先生に連絡をしなければなりません。しかも、大事な連絡・緊急の連絡は【電話】を要求されます。発達障害にとっての電話、鬱アイテムですね。
・密着(触れ合う問題)
発達障害の中には、人に触られることがとっても苦手な人がいます。
そんな人からしたら、知らない人が隣に密着している電車なんて、耐えがたいですよね。
【対策】グリーン車、先頭車両にのる、混む時間を避ける
・雑音(耳の問題)
電車はいろいろな音がします。
話し声、音もれ、せき、鼻水をすする音…雑音をキャッチしやすい発達障害の人にとって、苦痛のオンパレードです。
また、発達障害の人の中には「特定の音に強い恐怖を感じる」という人もいます。
ちなみに私は、電車が通る音がとても苦手でした。(都会に3年住んで、ようやく慣れてきました)
そのため、電車がホームを通過する時には耳栓をしたり、手で耳を塞いだり…そんなことをしていました。
【対策】イヤーマフ、耳栓、ノイズキャンセリングヘッドフォン
・群衆(目の問題)
原理はよく分かりませんが、私はたくさんの動くものを見ると目が回ってきます。
人混みに行くと、酔います。動き、色のちらつき、謎の想像力等のせいだと思うのですが、気持ち悪くなります。
ホーム、電車、駅から学校への道…と、群衆だらけで辛いです。
危ないのでお勧めできませんが、私は視力が悪いくせに裸眼で外を歩きます。人がぼやけて、少し楽になります。
【対策】サングラス、人の少ない道を探す、あえて低い視力のまま歩く(おすすめできません)
・におい(鼻の問題)
電車はくさいですね。発達障害の人は、五感のどこかが異常に優れていたり、鈍かったりします。
また、体調によっても匂いの感知度はかなり上下します。
【対策】マスク、自分のにおいをかぐ、口で呼吸する(おすすめしません)
・逃げられない環境
知り合いのADHDの方の中には、「逃げられない環境が怖い」とおっしゃる方がいます。
これを聞いた時、私はパニック障害的な要素を感じました。発達障害と関係あるのかは分かりませんが、特に快速などの「何分も電車から降りられない状態」は恐怖らしいです。
【対策】なるべく各停にのる ?自分は当てはまらないので、いい対策が思い浮かびません…。
▼通学の困難さ【自転車編】
・雨が降ると使えない
家と大学が近いと、自転車で登校する人もいると思います。
下宿先から大学に通う私は、これです。
自転車の残念なところは、「雨が降ると使えない」です。
(傘さし運転、レインコート着用など一応方法はありますが、自転車で濡れた道路はよくないですね)
自転車:8分
徒歩:20分
のため、いつも授業開始の10分前に家を出るように起きています。
しかし、雨の日はそれでは間に合いません。
(早く起きればいい話なのですが…)天気によってスケジュールが変わってくるのは、「臨機応変が苦手」な発達障害にとって、嫌なものです。
・運転が下手
「運動が苦手」「距離感覚がおかしい」という特徴のある発達障害の人にとっては、自転車や自動車の運転はなかなか難しいと思います。【※ 教習所、運動 参照】
このように、学校に着くまでの間だけでも既に多くの壁が立ちふさがっています。まだ学校に着いてないのに。
通学だけでもストレスがたまりますね。