こんばんは。ADHD・ASD(グレーゾーン)当事者のななです。
私はアルバイトをしているといつも思います。
早く辞めたい。向いてない。自分の無能さが浮き彫りになる。使えない人間だと思われてそうでモヤモヤする…。
私のアルバイト遍歴を紹介しながら、「発達障害とアルバイト」について考えたいと思います。
① 某ドーナッツチェーン店
駅ビルなどに入っているドーナッツチェーン店。初アルバイトでした。THE接客業。
続いた期間
1か月
業務内容
注文、レジ打ち、器具の洗浄、お客さんへの声掛け など
発達障害に向いてない特徴
- 同時作業の連続
- メモをとる時間がない
- 短期記憶の連続
- むやみやたらな声だし
- 上司の言ってることに一貫性がない、頭が悪そう
- バックヤードが不潔
- 「明るさ」を求められる
発達障害に向いてない特徴の詳細!
同時作業の連続
掃除をしながらお茶くみ、注文を聞きながら包装、会話しながらレジ打ち…
同時作業の詰め合わせです。あたふたしながらミスも多い、そんな状態でした。
メモをとる時間がない
発達障害は「短期記憶(ワーキングメモリ)が弱い」と言われます。
勉強の記憶力は悪くないのですが、数分前に「あれやっといて」と言われたことをすっかり忘れてしまうのです。
それをカバーするためによくメモをとるのですが、忙しくてメモをとる時間がありませんでした。
せっかく工夫の仕方を自分で把握しているのに、「工夫が許されない」「発達障害むき出し」の状態で仕事をしなければなりませんでした。
むやみやたらな声出し
「声出しが嫌だ」と言えば、ただのゆとり、NOT体育会系のせいだ、と言われるかもしれません。
しかし、発達障害は定型発達の人一倍「意図の分からない行動」が苦手なのでは?と個人的に考えています。
そんなに大きい声で、ばかみたいに、繰り返し繰り返しあいさつをする必要があるのかなぁ?と思ってしまいました。
上司の言っていることがバラバラ、頭が悪そう
これは発達障害に限らず、誰でも嫌ですね。アスペルガー的な特徴のある人は特に「一貫性の無さ」や「臨機応変」が苦手だと思うので、その場その場で上司に合わせることは難しいと思います。
明るさを求められる
これは発達障害云々ではなく、内向的な性格か、外向的な性格か、に由来するかもしれません
頭であれこれ考えるINTPの私にとっては、意味のない表面的な明るさを求められることは、不快そのものでした。
接客業は向いていない!間違いない!
② 某大手中学受験塾の受付・事務
2番目のアルバイト。このアルバイトで自分の社会性のなさ、仕事のできなさに違和感を覚え、発達障害というこたえにたどり着きました。一番つらいバイトでしたが、発達障害と分かるきっかけになったのでよかったと思います。
続いた期間
約1年半(週2~3固定)
業務内容
保護者対応、電話対応、新規対応、クレーム受付、一般事務作業(講師へのメール、書類整理、パソコン入力、時間割作成、資料の印刷)、講師や保護者の間のとりつぎ
発達障害に向いていない特徴
- 新規の人を相手にすることの多さ(保護者、講師、子ども)
- 同時作業の連続
- 作業を中断されることの多さ、自分のペースを乱される
- 人の間をとりもつ
- 電話
- 例外が多い(マニュアル通りいかない)
- ケアレスミスが許されない
- スーツ着用
発達障害に向いていない特徴の詳細
新規の人を相手にすることの多さ(保護者、講師)
新規対応、しかもお金持ちのマダムの相手です。要求も多いです。発達障害はよほど売りたい商品がない限り、営業には向きません。大好きで仕方のない商品だけを売るなら、得意かも?
同時作業の連続
電話をとりながらメモをする、同時に新規のお客様が来校される、書類を探しながら講師の動きを見る…
同時作業というか、「あらゆることに気を配る」の連続でした。
ただでさえ空気が読めない、人の気持ちが読みづらい発達障害には、これらの業務は向いているわけがないですね。
作業を中断されることの多さ、自分のペースが乱される
発達障害は、自分1人で集中して物事を進めるのが得意です。(集中に関しては、ADHDの方はまたいろいろと特徴がありますが…)
同時作業が多い=作業を中断されることが多いです。
一度作業がストップすると、「あれ、今なにやってたっけ…?」となりやすいのが発達障害です。
人の間をとりもつ
発達障害はコミュニケーションの問題、と表現されます。コミュニケーションが苦手な人が多いです。1対1でもキツイ場面が多くあります。
人の間をとりもつというのは、1対1を積み重ね、時には数人に呼びかけ、優先順位を考え、人間関係を調整していくものです。
「気づいかい」「コミュニケーション」「空気を読む」「同時作業」等、発達障害が苦手とするものの詰め合わせです。
電話
発達障害は電話が苦手な人が多いと思います。 ※別記事参照
例外が多い(マニュアル通りいかない)
アスペルガー系の人は、マニュアルがあると安心します。ないならないで、自由にできます。
一番面倒くさい(というか苦手)なのは、「マニュアルはあるが例外が多い」状態。
とにかく「臨機応変」が苦手。
ケアレスミスが許されない
お客様相手の職業、それも高いお金をやりとりする場合、1度のケアレスミスが大きなミス、損失に繋がります。何重にもチェックが入る場合はよいのですが、私の場合は受付1人業務でしたので、私がミス=会社のミス、お客様へのご迷惑に直結していました。
スーツ着用
個人差があると思いますが、私は生地へのこだわりが強いタイプです。そのため、かたくるしいスーツが苦手でした。また、スーツの人を見ると学校を思い出して「怖い」と思ってしまいます。苦手です。
気遣いを要求される受付。同時に色々しなければいけない受付。向いていない!
③ 家庭教師
塾の受付と掛け持ちでやっていました。大学に通いながら週4固定でバイトをしていたなんて、今思うと無理していたなと思います…
続いた期間
約10か月(週2固定)
業務内容
中学生への指導(5教科)
発達障害に向かない特徴
- 人の気持ちを想像しづらい
- 勉強ができない子どもの気持ちに寄り添えない
- マニュアル通りにいかない
発達障害に向かない特徴の詳細!
そろそろ、何が向いていないのか、皆さんお察しかと思います。
私が担当したのは、あまり勉強が得意ではない女の子でした。
一方、私は今までずっと、「勉強だけは得意な人間」として生きてきました。
そのため、「この子は何を分からないのかが分からない」という感じでした。
また、塾の一斉授業であれば、ある程度マニュアル通りに授業を進めるかと思います。
しかし、家庭教師は違います。目の前の子供がすべての基準。
思った通りに進まない。
理解してもらえない。
マニュアル通りにいかなすぎると、私はパニック気味になってきます。
向いてないですね。
というか、なかなか気持ちを分かってあげられなくて、成績を伸ばしてあげられなくて、ごめんね。と思いました。
④ 児童福祉施設での夜勤
現在も続けています。私にとって、1番精神的に楽で楽しいアルバイトです。(普通の人は辛くて辞めてしまうようなアルバイトかもしれません)
続いた期間
1年5か月目に突入。一応、まだ続けるつもりです。
理由は、お金がないから&嫌だけど耐えられる嫌さだから です。
業務内容
- 2歳~中学生と一緒に過ごす(食事補助、遊び、運動、勉強、睡眠など)
- 学校の先生的役割(日記の指導、喧嘩の仲裁、悩み相談、応急手当)
- 雑務(書き物、掃除、見回りなど)
生活を共にする、という感覚。
虐待児や非行の子供ばかりなので、いわゆる「問題な子」が多いので、大変ですが!
それがまた面白いです。
発達障害に向いている特徴
- 周りの職員がある程度発達障害に理解がある
- 発達障害だらけ(子ども)
- 仕事と言うより、ただ一緒に生活している感覚
- ミスがミスに直結しない
- 電話や新規対応がない
- 子どもに必要とされる
- ジャージ着用
- 休憩時間が多い
- 1回の勤務時間が長い
発達障害に向いている特徴の詳細!
- 周りの職員がある程度発達障害に理解がある
- 発達障害だらけ(子ども)
問題をかかえた子ども=発達障害の傾向がある子ども と考えると、この施設は発達障害の子どもだらけなのです。
ということは、職員も「発達障害慣れ」している。
だから、とってもやりやすいです。
仕事と言うより、ただ一緒に生活している感覚
仕事といえば緊張してしまいますが、ただ生活しているだけのようなアルバイト。
気が楽です。
普通のバイトは緊張するので交感神経MAXフル活動→微熱 ということがよくありましたが、
このバイトは生活しているだけなので副交感神経が活動的になり、リラックスしていられます。
ミスがミスに直結しない
企業ではなく、県の施設。税金でまかなわれている施設。
ということは、「目の前の人とお金のやりとりをしなくてよい」ということ。
ちょっとくらいミスをしても、子どもが教えてくれる。職員が教えてくれる。
「金銭が絡まない職場」というのは、発達障害に優しい職場かもしれません。
電話や新規対応がない
パニックになる場面がない。
子どもに必要とされる
子どもは、少しくらい変なことをしたって、笑ってくれる。
自己肯定感が高まります。
ジャージ着用
スーツの生地は嫌い。でも、ジャージやスウェットの生地は好き。
だから、ジャージ着用がデフォルトなこの職場は過ごしやすい。
休憩時間が多い
子ども達が寝る時間や仮眠等、何回かにわけて休憩時間があります。
緊張がほぐれる瞬間があるのはありがたいですね。
1回の勤務時間が長い
1回の勤務時間が長い=通勤時間が短い ということ。
このアルバイトは、1回16時間拘束。
もし1回4時間拘束だったら、週に4回も通勤しなければいけません。
でも1回16時間だから、週に1回通勤すればいいだけ。
余計なストレスが少なくてすみます。
結局、発達障害に向いていないアルバイトって何?
- 見るからに忙しい仕事
- お客さん相手で金銭のやりとりが目の前で行われる仕事
- 小さいミスが直接のミスになる仕事
- 気遣い、周りを見る力が要求される仕事
- 同時作業が多い仕事
これらは特に避けるべきですね。
発達障害の特徴を考えると、いうまでもなく当たり前なんですけどね…!!!
これらを要求されないアルバイトを見つけるのって、かなり難しいですよね。
「発達障害に向かないバイト」は簡単に紹介できるのに、「発達障害に向いているバイト」はなかなか紹介できない。
発達障害の人の役に立つには、「発達障害に向いているバイト」を紹介できる人にならないとな!と思います。
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