発達障害って、対人援助職に向いてる?
YES
一概に「向いてる!」と言い切ることは出来ませんが、発達障害グレーゾーンの人間が対人援助の職場にいることには、大きな意味があると考えます。
対人援助職とは?
京都学園大学のHP(http://www.kyotogakuen.ac.jp/department/psychology/contents2/ex1/ 2017年1月25日閲覧)には、以下のように紹介されていました。
↓↓↓
A. 人を援助する職種(より直接的な援助)
◎医療・保健:医師、歯科医師、看護師、助産師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、
救急救命士、ソーシャルワーカー、心理士、歯科衛生士、視能訓練士、カイロプラクター、
柔道整復師、はり師・きゅう師、あんまマッサージ指圧師など
◎教育:教員、学童保育指導員、カウンセラーなど
◎福祉:保育士、児童指導員、心理士、介護士、ホームヘルパー、手話通訳者、ソーシャルワーカー、
相談員など
◎その他:裁判官、弁護士、検察官、警察官、消防士など
↑↑↑
こんな感じです。人と直接関わりながら、人を支える・助けるといった職業です。医師や弁護士は超高等な職業、超専門的な職業というイメージが強いのですが、教育系や福祉系の分野は割と誰もが身近に感じる職業、目指しやすい職業に感じます。
発達障害(特にアスペルガー系)の人は、共感性がない、人の気持ちが分からない等コミュニケーションの面に問題があると言われがちです。
と考えると、人と関わる職業は不向きに感じます。もってのほかって感じです。そう思ってました。
しかし、教育学部の保健室の先生を目指す課程で勉強しているうちに、「いや、発達障害グレーゾーンの人間は、対人援助職に向いているな。向いているというか、存在価値が大きいな」と思うようになりました。
大きな理由は、
・通訳者になれるから
・自分の経験を希望の材料にできる
・共感しすぎない
ということです。
私が在籍しているのが「養護教諭(保健室の先生)養成課程」というところなので、養護教諭を中心に考えていこうと思います。
発達障害の養護教諭という立場で考えたいと思います。
通訳者になれる
養護教諭は、一般の教員と子どもの間に入ったり、医者と子どもの間に入ったり、保護者と一般の教員の間に入ったり、「間に入る」ことが多いポジションです。
コミュニケーションが苦手とされる発達障害にとって、この「間に入る」ことは苦手なんじゃないかと思います。多分苦手です。自分の人間関係もろくに扱えないくせに、人間関係を調節するなんて、あー、無理。って感じです。
でも、学校に「発達障害の養護教諭」が存在する価値は大きいと思います。
学校生活が上手くいかない子どもの困り感を、実感をもって理解してあげられるのです。
もちろん、発達障害当事者でなくても、知識があれば理解はしてあげられるとは思います。支援もできます。
しかし、「養護教諭が自分のことを実感をもって理解してるか」、「実感はないけど理解してくれているか」、子どもには伝わるような気がします。
なんか、同族って、年齢が離れていても空気で感じるものです。
理論や知識って大切ですが、やっぱり「経験」って強いと思います。
自分の経験を踏まえながら、「先生も〇〇だったけどね、今こうして頑張って働いているんだよ」というのは、発達障害の先輩として身近な希望になれると思います。
共感しすぎない
上で書いたものと真逆に見えますが、発達障害の「共感能力の欠如」は、人の重い問題に向き合うカウンセラー的立場になるにあたって、長所になり得ると思います。
カウンセラーは、クライアントに寄り添うことは大切です。
しかし、支えるにあたって一番大切なのは、「共倒れしないこと」だと考えます。
共感能力が高すぎる優しい性格の人は、クライアントの相談内容に共感し、心を痛め、自分のことのように悩んでしまうかもしれません。一見優しくていい人に見えますが、「支える」という立場としては、ダメです。共倒れしていたら支えられません。
一方、共感能力が高くない発達障害の人は、クライアントの相談内容を聞きながら問題を把握していきますが、自分のことのように悩むことはないかもしれません。一見冷たい人に見えますが、「支える」という立場としては、これくらいで良いのです。これくらいが良いのです。発達障害のカウンセラーは、「安定性」という側面からすると向いていると思います。
(流されないための訓練は、誰しもされると思いますが…!)
ありふれた言葉ですが、ピンチはチャンス!っていう感じです。
弱みは、何よりも強みになると思っています。
まぁ、克服していない状態の弱みは弱みのままですが…。
弱み(発達障害の一般的な短所)を克服した状態は、±0の定型の人よりも強い!!!そう信じています。
短所こそ、長所になり得るのだ~。
長所として機能してくれるまでは、頑張ろう。
※ 専門性を身に付けるのは言うまでもなく大切
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